これは中学校で教師をしている僕の友人の話
その友人は野球部の顧問で、受け持ち教科は社会
部活動も授業も手を抜かない熱血教師である
しかし、教師といえども時には授業中の生徒の質問に答えれないこともあるらしい
そんな時の裏技を教えてくれた
生徒が難しい質問をして即答できない時
「ええ質問や。調べてあとで皆に発表してくれ」
と生徒の自主性を育てるフリをして時間を稼ぎ
その日の夜に自身もそのことについて猛勉強するらしいのである
彼は言う
池上彰氏の「いい質問ですね」よりも先に「ええ質問や」を使っていたと
そんな「ええ質問や」のパイオニアの彼を悲劇が襲う
事件は野球部の部活動中に起こった
生徒がバッテイング練習をする為に運んでいたバッテイングネットが
風に煽られ倒れてしまい、近くにいた彼の頭を直撃したのである
当たりどころが悪かったらしく、彼の頭からは血が噴き出した
あまりの出来事に凍りつく生徒達
彼は生徒達を不安にさせてはいけないと、気丈に振るまおうとするが、いかんせん出血量が多すぎる。。
「保健室、いやこれは救急車か?」と冷静に判断をしようとするが意識が遠のく
心配そうに彼の元に集まる生徒達
生徒の中の一人が泣きそうな顔で「先生、大丈夫ですか?」と聞いてくる
薄れゆく意識の中で彼はやっとの思いでこう答えた
「ええ質問や…」
そして彼は救急車で運ばれて行ったのである
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