私の父は非常に不思議な人だ。
かなり変わっていて、人畜無害で面白い父である。
ただ、面白いと言っても陽気で口が達者とかではなく、なんか変なのだ。
変な空気を醸し出しているという観点から面白いのである。
挙動不審で、物知り。動物が好きで、甘いものも大好き。
健康オタクで独自のこだわりを持つ反面、添加物入りの菓子パンをバクバク食べる。
転職回数が異常に多く、母に黙って仕事を変えたこともある。
昔の洋画が好きで、映画音楽も好き。争いごととネギは嫌い。
母のことも大好きだが何より自分の世界を愛しているような父。
そんな父については語り尽くせぬおもしろ&不思議エピソードがたくさんある。
今回はバレンタインシーズンにちなんだエピソードを思い出したので書いていきたい。
両親は仲が良い。
未だにバレンタインには母から父にチョコレートを贈っている。
甘い物好きなので父も嬉しそうにチョコをもらっている。
だがある年、ホワイトデー間近にも関わらず、父のお小遣いが底を尽きたことがあった。
月いくらのお小遣い制だったのか分からないが、仕事帰りにお菓子や菓子パンをたくさん買っているので無くなってしまったのだろう(使い道、子どもか!)
父は母に、「お小遣いが無くなったからホワイトデーにお返しができない」と詫びた。
すると母は予想以上に不機嫌になってしまった(こっちも子どもか!)
夫婦間に亀裂が生じてしまった。
困った父は私に、「CDっていくらで買える?」と聞いてきた。
「モノにもよるけど、シングルなら1,500円、アルバムなら3〜4,000円くらいかな」
と伝えると、ふぅんと言いながら母にお小遣いの前借りを依頼し、
当時中高年の間で大ヒットしていた秋元順子の『愛のままで・・・』のCDを買ってきて母にプレゼントした。
母は大喜びし、夫婦仲は元通りにおさまった。
でもお小遣いを渡したのは母なので、結果的に父はCDを買いにおつかいに行っただけな気もするんだが…。
まぁ本人たちが良いならそれで良い。
一連の様子を間近で見ていて、当時10代だった私は『こいつら子どもか!!!』と思ったが、なんとも平和でほっこりする思い出である。
そして書いていて思ったが、母もやばい。
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