私と古い家

よー子

古い家に縁がある。

というか古い家にしか住んだことがない。

実家は祖父が子供の頃に建てられたのでかれこれ100年近く経っているザ・日本家屋だ。

家の中心にはつやつやとした大黒柱が建っている。100年、我が家を支え続けてくれている。

昔土間であった玄関は異様に広い。座敷もいつでも宴会ができる広さがある。

とても愛着はあるが、古いが故の難点も多い。

最近リフォームするまで『ぼっとん便所』だったり、風呂場の出入り口の木枠にキノコが生えたり、気がつけばさまざまな虫と家の中で遭遇したり、同級生のお家となんか違うなと感じていた。

なんか違くてコンプレックスであった。

こんな家、洋式トイレに慣れているお友達を呼ぶのは気が引けると思っていた。

自分はぼっとん便所の人間だから朴訥でいなければと何となく思っていた。

古い家は私の精神形成にも影響したと言っても過言ではない。

幼少期から洋式トイレの家の子だったらもっと派手でブランド好きの女になっていたかもしれない。

私は今の自分の価値観を大事に思っているから、古い家で育ったことを悪くは思っていない。

そして、古い家慣れしていると大抵の古い家に住める。

大学時代も家賃激安の古いアパートに住んだ。社会人になってからもそのスタンスは変わらない。だってどこでも住めてしまうのだ。

新しさ、オートロック、浴室乾燥機…そんなものはどうでもいい。

古くても、安くて広くて住宅が密集していない家に住みたい。

そんな逞しい価値観を育ててくれた古い家に感謝の気持ちがいっぱいである。

ただ最近新築戸建を建てた兄の家を見て、良いなぁとは思っている。。

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